筋トレ前後にコーヒーを飲むと良いと聞いたことがあるのではないでしょうか。
一見、筋トレとコーヒーってあまり相性のよさそうな関係ではなさそうですが、実は非常に相性の良い関係にあります。
そのカギを握るのが、コーヒーに含まれる「カフェイン」です。カフェインが筋トレを含め様々な運動に対して良い効果を発揮してくれます。
いわゆるエナジードリンク類にもカフェインが必ずと言っていいほど含まれています。ただし、カフェインの含有量でみるとどのエナジードリンクよりもコーヒーのほうが多く含まれているためカフェインの摂取を考えた場合コーヒーを飲むことが一番効率が良いと言えるでしょう。
今回の記事では、コーヒーに含まれるカフェインが筋トレに与える効果を紹介したいと思います。
カフェイン摂取が筋トレに与える3つの効果
カフェイン摂取が筋トレにもたらす効果について3つ紹介します。
運動能力の向上
カフェイン摂取によりパフォーマンスの向上が見られることが様々な研究で報告されています。
カフェイン摂取により筋トレの総負荷量が2倍以上に向上したという例もあります。
ではなぜ、カフェインが運動能力を向上させるのか?
CAFによる運動能力の向上及びTcoreの上昇には、脳内におけるアデノシン受容体の遮断によるDA放出の増大が重要な役割を果たしている。
出典:「カフェインによる運動能力向上及び体温調節反応に関わる中枢神経機構の解明」鄭鑫焱
筋肉が活動すると生成される副産物のアデノシンが脳内のアデノシン受容体に取り込まれると脳内伝達物質のドーパミン(DA)の放出が抑制されます。
運動能力の向上にはこのドーパミンの働きが重要とされております。
カフェインはアデノシンと構造が非常に似ておりアデノシンよりも先にアデノシン受容体と結合することができます。カフェインはアデノシン受容体に取り込まれてもドーパミンの放出を抑制することが無いため結果ドーパミンが通常よりも多く放出されて運動能力が向上するということのようです。
持久力の向上
運動のエネルギー源には大きく2つあります。グリコーゲンと脂肪です。
グリコーゲンは肝臓や筋肉中に蓄積されますがそれほど多く含有することができません。持久力の向上を図る上では脂肪をいかに効率よくエネルギー源として利用できるかが大きなカギを握ります。
脂肪が分解されてエネルギー源として使用できる状態になったものを遊離脂肪酸といいますが、カフェインは遊離脂肪酸の放出を促進する働きがあります。
カフェインにより脂肪のエネルギー利用の効率化が図られることで、グリコーゲン使用が節約されてその結果持久力の向上につながります。
筋肉痛の緩和
カフェインには筋肉痛を緩和する働きがあるということも報告されています。
カフェイン摂取は、遅発性筋肉痛に対して軽減作用を有することが示唆された。
出典:「カフェイン摂取が遅発性筋肉痛及び筋硬度に及ぼす影響」村田芳久、齋藤健
筋肉痛が起こっている筋肉は少し硬くなり痛みの感受性が増加しますが、カフェインは筋肉の硬度を緩和する働きがあり、結果痛みを軽減することができます。
また、痛みの感覚を発生させるアデノシンA2a受容体の働きを阻害することで痛みを緩和しているのではないかと考えられています。
筋トレ前後にコーヒーを飲むことで、パフォーマンスUPや筋肉痛のケアをしてみてはいかがでしょうか。