OKRは、ビジネス目標達成のためのフレームワークとして注目されています。
しかし、初めてOKRを導入する際には、設定の方法や活用方法などがわからず、悩む方も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、OKRの基本から導入方法、活用方法、評価までを詳しく解説し、ビジネス戦略を成功に導くための知識やノウハウをお届けします。

- OKRとは何か、その特徴や効果について
- OKRの設定の流れや目標設定のポイント、キーパフォーマンス指標の設定方法について
- OKRを導入する際に考慮すべきポイントや、導入するためのステップやツールについて
- OKRの設定後に実際にどのように活用するか、進捗管理や結果分析、改善点の洗い出しについて
- OKRの評価方法や評価結果の活用方法、改善点を実践するための方法やツールについて
OKR(Objectives and Key Results)の基本
OKRとは、Objectives and Key Resultsの略で、目標と重要成果指標のフレームワークです。
ここでは、OKRの基本について解説します。
OKRとは
OKRとは、ビジネス戦略を実現するための目標設定手法で次の2つの要素から成り立ちます。
- オブジェクティブ(Objective)
オブジェクティブは、数か月から数年の期間で達成するべき定性的な目標であり、ビジョンやミッションに基づいて設定されます。 - キーリザルト(Key Results)
キーリザルトは、オブジェクティブを達成するために数値的な成果目標を設定する手段であり、具体的な数値目標や成果物を示します。
OKRの最大の特徴は、目標が上位組織から下位組織へと連鎖するカスケード方式を採用していることです。
これにより、組織全体が一体となって共通の目標に向かって取り組むことができます。
また、OKRは定期的な進捗報告や振り返りを通じて、組織の学習と成長を促進することができます。
OKRの目的や歴史
OKRの目的は、ビジネス戦略の実現や成長戦略の推進、組織の目標達成などです。
OKRは、2000年代初頭に、Intelのアンディ・グローブCEOが率いる経営チームによって導入されました。
その後、グローブがGoogleに移籍した際にもOKRは導入され、Googleをはじめとする多くの企業で広く使われるようになりました。
OKRの設定の流れ
OKRの設定は下記の流れで進めます
- 目標の設定
- Key Resultsの設定
- OKRの課題の洗い出し
- OKRの改善点の実践
目標の設定
ビジョンや戦略を具体的なターゲットに落とし込むために設定されます。
目標は、大きな方向性を示すことが望ましく、一年間程度の期間で設定されます。
Key Resultsを設定
Key Resultsは、目標を達成するための指標であり、数値化されることが多いです。
Key Resultsは、具体的で測定可能な成果目標として設定されるため、ビジョンや戦略を具体化するためにも重要です。
OKRの課題の洗い出
目標設定やKey Results設定において課題があった場合に、その課題を洗い出し、解決策を考えます。
OKRの改善点の実践
前回のOKR設定において改善すべき点を洗い出し、次回以降に反映するための取り組みを行います。
OKRの設定の流れを踏まえ、ビジネス戦略を実現するために必要な目標と成果指標を設定し、組織全体が一体となって目標達成に向けて取り組むことができます。
目標設定のポイント
OKRの目標設定において、SMART原則は非常に重要です。
SMART原則とは以下の要素を持っていることを意味します。
- 目標が具体的(Specific)
- 測定可能(Measurable)
- 達成可能(Achievable)
- 現実的(Realistic)
- 期限(Time-bound)
具体的な目標設定の例として、次のようなものがあります。
- 具体的
「商品の新規開発を行い、売上を10%増やす」 - 測定可能
「顧客満足度を80点以上にする」「販売数を1000個以上にする」 - 達成可能
「1年間に100%の成長は難しいが、30%の成長は可能」といった具合に、目標が達成可能な範囲で設定されていることが重要です。 - 現実的
目標が現実的であることが重要であり、無謀な目標設定はチームのやる気を下げる原因になります。また、自部門に関連している内容かどうかも重要となります。 - 期限
目標には期限が必要であり、期限を設定することで、目標達成に向けた進捗管理がしやすくなります。
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キーパフォーマンス指標の設定
目標達成に向けて進捗を測るために、キーパフォーマンス指標(KPI)の設定も重要です。
KPIは、具体的な数字で目標達成度を測定する指標であり、目標達成に向けた進捗管理に役立ちます。
「売上」「利益」「顧客満足度」「リピート率」など、ビジネスに直結する数字に設定します。
KPIの設定には、目標達成に必要な数字を把握し、適切なタイミングで設定することが大切です。
OKRの導入方法
OKRを導入する前に、考慮すべきポイントがあります。
まずは、組織のビジョンや戦略、部門の目標との整合性を確認しましょう。
OKRは個人やチーム単位で設定するものですが、それらが組織の全体的な目標と合致しなければ意味がありません。
OKRはあくまでも目標達成のためのフレームワークであり、そのフレームワークを活用する文化や環境を整備する必要があります。
具体的には、目標に向けて自主的に行動できる文化を育成することや、進捗や結果の共有が円滑に行えるコミュニケーションツールの整備が必要です。
OKRを導入するためのステップ
- ビジョンや戦略、部門の目標との整合性を確認する
- OKRを導入する意義や目的を明確にする
- OKRの設定方法やポイントについて学習する
- OKRを設定するためのツールを選定する
- OKRの設定や活用についてのルールや手順を整備する
- OKRの導入について全体に周知する
OKRを導入する上でのポイント
- 目標は長期的なものを設定する
- 目標は明確で測定可能なものを設定する
- 目標は挑戦的であるが、達成可能なものを設定する
- キーパフォーマンス指標(KPI)は、目標達成のための成果を測る指標として設定する
- 目標設定や進捗管理は透明性を確保する
- OKRは定期的に見直し改善していく
OKRの評価と改善
OKRを設定し、運用し始めたら、次はその評価と改善について考えていく必要があります。
ここでは、OKRの評価方法や評価結果の活用方法、改善点の洗い出しと実践するための方法やツールについて解説します。
OKRの評価方法や評価結果の活用方法
✔ OKRの評価方法
- 定期的に進捗をチェックする
- 目標の達成率を数値化して確認する
- 進捗チェックは、ウィークリー、マンスリー、クオータリー、アニュアルなど、各期間ごとに行う
✔ OKRの評価結果の活用方法
- 達成した成果や失敗した理由を分析する
- 継続すべき点を具体的に検討する
- 改善すべき点を具体的に検討する
- 継続項目、改善項目を次のOKRの設定に反映する
改善点を実践するための方法やツール
改善点を実践するためには、PDCAサイクルを回すことが効果的です。
PDCAサイクルとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Act(改善)の4つのステップを繰り返して、プロセスの改善を進める手法です。
先ほどまでの解説を振り返るとPDCAサイクルを回す内容となっていることが分かると思います。
- P:目標(Objective)と指標(Key Result)を設定する
- D:実践する
- C:実践結果を評価する
- A:評価結果を活用して改善する(次回のOKRに反映する)
また、OKRをより効果的に活用するためのツールとして、OKRソフトウェアやプロジェクト管理ツールなどがあります。
これらのツールを活用することで、進捗管理や評価、改善のプロセスをスムーズに行うことができます。
まとめ
OKRはビジネス戦略を成功に導くための有用なフレームワークです。
この記事では、OKRの基本的な概念から具体的な導入方法や活用方法、評価と改善について解説しました。
以下は、この記事で得られるまとめです。
- OKRは、定量的な目標設定と進捗管理を行うためのフレームワークである。
- OKRの導入にあたっては、事前に課題を洗い出し、チーム内での共有が必要である。
- OKRの活用にあたっては、目標設定において「SMART原則」に従うこと、目標とKPの間に因果関係を設定することが大切である。
- OKRの評価にあたっては、定期的に進捗をチェックし、評価基準を明確に設定することが重要である。
- OKRの改善にあたっては、評価結果から得られた改善点を具体的なアクションプランに落とし込み、実行することが必要である。
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