「ポリフェノールは身体にイイ」という話はテレビや雑誌でよく取り扱われていますよね。
実際にポリフェノールには、老化防止や血圧改善などの効果があります。
その中でも今回は「肥満の改善」につながる効果にフォーカスして解説をしたいと思います。
ポリフェノールとは
ポリフェノールとは、植物が活性酸素から身を守るために作り出す「抗酸化物質」のこと。
植物の苦みや色素の成分がそれにあたります。
ポリフェノールには、様々な種類がって自然界に実に8,000種類以上存在します。
◉ポリフェノールの主な効果
- 肥満の改善
- 脂肪の消費作用
- 肝臓の保護作用
- 血糖値上昇の抑制
- 抗酸化作用
- 抗ウイルス作用
- 抗がん作用
- 殺菌・抗菌作用
- 動脈硬化予防
- 高血圧の予防
- コレステロールの低減
ポリフェノールで肥満改善
■肥満改善の効果のある代表的なポリフェノール
- カカオポリフェノール
- コーヒーポリフェノール(クロロゲン酸)
- カテキン
それぞれの効果や多く含まれる食品について説明します。
カカオポリフェノール
■多く含まれる食品
- チョコレート
- ココア
カカオポリフェノールには、肥満抑制の効果があることが下記の研究結果でも報告されています。
皮下白色脂肪組織において UCP-1 の発現増加を誘導するとともに,ミトコンドリアの発現に関わる PGC-1α の遺伝子発現を増加させた。これらの作用機構が関与して,高脂肪食摂取による肥満・脂肪蓄積が抑制されたと考えられた。以上のことから,カカオポリフェノールはAMPKの活性化をキーファクターとして,エネルギー産生を向上させ,肥満抑制効果を発揮することが判った
出典:カカオポリフェノールのメタボリックシンドローム予防効果 神戸大学大学院農学研究科 山下陽子 芦田 均
チョコレートやココアに含まれる、カカオポリフェノールが肥満抑制の効果があるとしても糖質の多いチョコレートやココアを摂ることは本末転倒です。
チョコレートならカカオ70%以上の糖質の少ないものを選び、ココアは無糖の純ココアを選びましょう。
コーヒーポリフェノール(クロロゲン酸)
■多く含まれる食品
- コーヒー
クロロゲン酸の肥満抑制については下記のように報告されています。
C57BL/6J マウスに 60%コーヒーを 6 週間自由摂取させた結果,体重及び脂肪組織の重量が有意に減少し,さらに,脂肪組織における IRS-1 の発現量も低下していた(Fig. 2).13) このことは,コーヒー成分が,インスリンシグナル伝達系を抑制することで脂肪細胞分化を抑制し,肥満を抑制している可能性を強く示唆するものである.
出典:コーヒーの習慣的喫飲による生活習慣病予防効果の分子基盤 田村悦臣
コーヒーには、コーヒーポリフェノールのほかにカフェインも含まれていますが、カフェインには、脂肪細胞に貯蔵されている脂肪酸を細胞の外に放出させる働きがあり、体脂肪を減らす効果があります。
コーヒーは、コーヒーポリフェノールとカフェインどちらにも、肥満を改善する働きがある優秀な食品ですね。
とはいえ、もちろん飲み過ぎは身体によくありません。
1日4杯ほどが良いとされています。
カテキン
■多く含まれる食品
- 緑茶
- 紅茶
カテキンの肥満の改善項については下記の研究報告がされています。
その結果,図 1 に示すように体重,腹囲,CTによる内臓脂肪量ともに 12 週間の継続摂取によりカテキン群はコントロール群と比べて有意に減少することが明らかになりました。
出典:茶カテキン研究のトピックス 森 建太
カテキンには、この研究結果のような脂肪減少効果のほかに、血糖値の上昇を抑える働きがあります。
血糖値の急上昇は、肥満を引き起こす大きな要因となりますが、その血糖値の上昇を抑えることで、肥満の予防につながります。
トクホ飲料の「ヘルシア」は、このカテキンの効果にフォーカスして開発された商品ですね。
「カッコつけるのは若いうちだけ」 「いまさら見た目なんか関係ない」 「男は中身で勝負!」 なんて思い込んでませんか? あなたの腹は思った以上に見られてますよ。 […]
まとめ
今回はポリフェノールの肥満改善の働きにフォーカスして記事を書きました。
もちろん、ポリフェノールの働きだけで肥満が解消されるわけではありませんが、運動や食事管理とともにポリフェノールの効果をあわせれば、また一歩肥満の解消に近づけるのではないでしょうか。
今回の記事が参考になれば幸いです。
おわり。